野外での虫対策

暖かくなり、旅先でも自然と触れ合う機会が増える時期、東南アジア、インド、アフリカへの旅行では、感染症を媒介する蚊、また、刺されるとショック死する危険もある蜂に対する対策が肝心です。
蚊に刺された場合、一番心配されるのは、デング熱、マラリアなどの感染症。
蚊は明け方や夕方に活発に活動します。そうした時間帯には蚊の多い場所に行かないようにしましょう。
日本で販売されている虫よけ剤は効き目が弱く、ディートという主成分の濃度が、医薬品扱いのものでも12%と低く抑えられています。感染症の不安が高い土地に旅行される場合は、現地で市販されている、濃度が30%以上あり、効き目が持続するものを使うようにします。
潜伏期間は感染症によってさまざまで、帰国後に発症するケースも少なくありません。帰国してから体調の変化を感じたら、どこにいつ行ったかを申告し、病院で受診します。
蜂対策は、刺されないようにすることが肝心。
人を刺す蜂はおもにスズメバチ、ミツバチ、アシナガバチ。中でも毒性の強いスズメバチの仲間は黒い色に強く反応するので、黒っぽいものを身につけないようにしましょう。長袖、長ズボンを着用し、ズボンのすそは靴下の中に。それでも露出する部分には虫よけ剤を噴霧しておきます。香水や整髪料は、蜂を刺激するものがあるので、つけないようにしましょう。
蜂が近付いてきたら顔を下に向け、刺されないよう目を細め、行き過ぎるのを静かに待つこと。大声を上げたり、手で払ったりすると蜂を刺激します。
蜂に刺されてしまった場合には、他の蜂に刺されないように、静かにその場を離れます。もしも針が残っていたらナイフの刃などをうまく使って抜き、患部を清潔な水で洗い、抗ヒスタミン軟膏を塗っておきます。刺されたところをもんだりしないこと。毒の回りを早めます。
蜂に刺された場合に重症のアレルギー反応(アナフィラキシー・ショック)を起こす人がいて、国内で毎年30人ほどが亡くなっています。このケースでは、刺されてから30分以内に吐き気や発汗などさまざまな全身症状が現れ、1時間以内で死亡しています。このような時に役立つのがエピペンという緊急用の自己注射器。03年に厚生労働省から認可され、日本でも使えるようになっています。

日光過敏症を引き起こすことがある内服薬の例

 


 

監修/篠塚規 日本旅行医学会専務理事、オブべース・メディカ専任医師。02年、日本における旅行医学への貢献が認められ、ヨーロッパ旅行医学会からユリシーズ賞を授与。国際旅行医学会正会員、国際登山医学会正会員。
日本旅行医学会ホームページhttp://www.jstm.gr.jp/